悪徳金融業者に不動産をだまし取られた

 A氏は平成五年にある金融業者から譲渡担保設定契約により一千二百万円の融賢を受けた。数度の弁済後、弁済が遅延した事を理由に平成六年二月に金融業者は譲渡担保設定契約に基づき、書面をもって譲渡担保権の実行に着手する旨および担保物件(区分所有建物店舗)の評価額を二千五百万円とする通知をなし、不動産所有権移転登記が行われた。相談者は、金融業者に一方的にやられてしまい、不動産をだまし取られたと主張する。
 こちらの調査によれば、不動産の評価を二千五百万円とした根拠が全くしめされていない。
 仮に不動産の評価額が二千五百万円で妥当であったとしても、金融業者には精算義務があり、不動産の引渡と精算金の支払いは同時履行の関係に立つにも拘わらず、支払いがないこと(一千二百万円を融資して、約一年後に利息を含めて二千五百万円の返済を受けたと主張するなら、明らかに暴利である)。平成六年二月頃の当該不動産の評価額は実際には約一億円程度であり、金融業者の主張する評価額は当時の実勢の約四分の一程度であることが判明した。
 この評価書を持って、東京都金融担当と相談し、相手を再三呼ぴ出し指導したが、一向にらちがあかない。神田にある金融業者を訪ね、再三話し合うが責任者が居ないとの事であり話しにならない。
 このような、悪徳金融業者は根絶されなければならないと考え、警察にも相談し、こんな馬鹿な事がまかり通るなら…。現在、当方の勧めもあり、相談者は譲渡担保契約の無効を求めて、訴訟を提起している。