拝啓 日本航空○○社長殿/気流の影響と嘘の機内放送

乗客の人権が第一と株主総会で言った事は嘘ですか? 日本航空国際線旅客機と沖縄行きジャンボ機がわずか10メートルの高度ですれ違ったニアミス事故。衝突回避の急降下で沖縄便の乗員、乗客四二名が重軽傷を負った。
 飛行機は無事羽田に着陸したが、機を降りた機長が日航の労組「機長組合」に駆け込み、組合の顧岡弁護士に相談、その後一昼夜にわたって身柄を匿されてしまった。警察の本格的な取り調べや会社側の事情聴取に応じないため、事故原因がしばらくの間はっきりしないという異常とも見られる状況が続いた。
 いの一番に原因調査が最優先されるべきなのに、聴取拒否とはどういうことなのか。「人命に関わる事故」という事が分かっていないのか。昔から日航の労組は機長の人権ばかりを重視し、今も危険に晒されている乗客の人権をないがしろにしていると常々感じていた。
 日航は組合と機長を庇う釈明を繰り返し、テレピの前で顔を引きつらせる副社長。事態を把握していない事がありありと分かる。副社長は過去の労使紛争をぶり返さないように、組合の機嫌をうかがう姿もありありと見える。
 何度テレビに出ても、マスコミから突っ込まれてもはっきり物が言えない。「親方日の丸」の意識で考えが甘く、経営に対する姿勢がなっていない。株主総会で株主に対し、新しい日本航空作りを進めるとはっきり○○社長は発言したにも関わらず、まだ何も進んでいないことが今回の事故で露呈してしまった。全国の日航関係者に対して、どの様なお客様であろうが毅然とした態度で接し、襟を正すように通達したと聞いている。
 先ず着手すべきは会社の内部の問題ではないのか。組合の機嫌をうかがうのではなく、毅然とした態度ではっきり物を言い、「経営改革を推進」して欲しいものである。○○社長は、マスコミに登場するなら、事故が起きたら真っ先に登場するように。
 「航空管制室のミス」で訓練中の未熟な管制官による便名呼び間違いであると報道されるや○○社長の登場である。日航側は被害者だとばかりの発言である。真っ先に乗客の方に対し心からお詫ぴをし、「お客様は神様である」と心に叫び、お金は会社から貰うのではなくお客様から貰っていると肝に命じ、企業価値を高める経営改革を実現させて欲しいものだ。
 乗客そっちのけで労使が対立し、最優先の真相究明に支障をきたさないように、あくまでも乗客の人権を最優先に! 声を大にして言う「安全運航を」!

 さらにもう一つ、たまたま仲間で羽田発日航907便ジャンボに乗り、乗客四百十一人、乗員十六人を乗せ那覇空港を目指し楽しい社内旅行に出掛けようとした矢先、快適なフライトが急変したのは午後四時頃、離陸から三十分程度してからであった。
 機体が一気に急降下し、乗客は皆思わず「墜落する」「死ぬ」と感じました。あちこちから、悲鳴やら鳴き声が上がる。この急降下が数分間も続いたように感じた。ところが横に三人居た筈の女性客室乗務員の姿が見えない。
一人は天井裏に上がっているのが見え、残る二人は自分の膝の上に折り重なっているのに気付いた。
 だが直ぐには立ち上がれない。血を流していたにもかかわらず、何もしてやれないもどかしさに腹立たしさを感じた。「うーん」「痛い」と訴える客室乗務員。その悲鳴とも取れる声に涙が溢れ出てくる。
 反対側の男性に助けを求めるが、座席べルトをしたままうなだれている。背広の肩がみるみるうちに血で真っ赤に染まった。「気を失っている」と思い、他の人に大声で声を掛けた。一人の客室乗務員が足を引き摺りながら来てくれた。二人でその客室乗務員を通路に寝かせ、元気な人達で協力しあって声を掛け合った。
 制服を血で染めた客室乗務員が何人も通路に横たわったまま他の乗務員から手当を受けている。天井裏に飛ばされた乗務員を皆で降ろし、怪我の手当をした。衝撃でスピーカーが外れた天井パネルからコーヒーの滴がぽたぽたと頭に落ちた。
 機内放送は最初「気流の影響」と説明した。その後機長から「衝突を回避した。緊急着陸する」とアナウンス。急降下から四十分後、機体は再ぴ羽田に戻った。羽田に着陸するや乗客が一斉に泣き出した。そして乗っていた乗客は誰もが涙が止まることはなかったという。こんなに涙というものは出るものなのか…と。「死の一歩手前を垣間見た」という。
 日本航空、○○社長様、貴方はこんな恐ろしい体験をしたことがありますか? 無いですよね。
 こんな怖い思いをさせた私達乗客にまず頭を下げるべきではないか。またこの急降下で傷んだ飛行機をあの「尻餅事故」の時と同じ様な報告をせず、ちゃんと整備してから飛ばしてください。
 この「急降下の飛行機には何か目印を」。もう二度とこの飛行機には乗りませんから。
 あくまで「尻餅事故」の二の舞にはしないでください。