僕達は“ブタ”ではない

 全国の少年院の約三割が、定員を超える少年を収容していることがわかった。少年院の平均収容人数は、一九八○年代前半から減少傾向にあったが、九五年を境に上昇に転じ、今年は三十一年ぶりに五千人台(一日平均)に乗る勢いだという。家庭裁判所が、少年事件で少年院送致とするケースが増えたためとみられるが、施設側からは「子供たちの心のケアまで手が回らない」との声も上がっている。
 法務省矯正局によると、今年四月末現在、全国の少年院五十三施設のうち、定員を超えて少年を収容しているのは十五カ所。最も条件が悪かったのは、三重県の宮川医療少年院で、収容人数は定員の一・六倍近い百二十六人だった。
 減少傾向にあった平均収容人数は、九五年の二八四七人を境に増え始め、昨年は五年前の約一・五倍の四五二八人に。今年は四月末までの平均で四八○九人となり、すでに咋年を上回っている。こうした現状に、少年院では、四人部屋に簡易ベッドや布団を持ち込んで五、六人を収容するなどの対策をとっている。一部の施設では、夏場の寝苦しさを解消するため、定員をオーバーした少年を食堂で寝かせていた。
 少年院の関係者は、「職員の数が足りない。衣食住を提供するのが精一杯で、細かい心のケアまで手が回らない」と話す。矯正局でも「生活空間が狭くなればトラブルも起きやすくなる。教官が少年一人一人にかける時間も減ってしまいかねない」と認める。
 面会に訪れる保護者の近くに少年を収容するという原則があるため、収容状況に余裕のある施設へ移すことはできない。施設を増やすことも難しく、「現在の施設を改築するなどしてやりくりするしかない」(同局)という。同局では、「少年犯罪は全体的に減る傾向だが、事件が凶悪化しているため、少年院での更生が必要だとする家裁の判断が増えているからではないか」として、家裁がより厳しい判断をする傾向が強くなっていると指摘する。
 少年事件に詳しい斎藤義房弁護士は、「凶悪犯罪に厳罰を求める社会の風潮から、家裁が事件内容だけで処分を決め、初犯でも少年院に送られる少年が増える傾向にある。すし詰めのような状態では、更生より懲罰になってしまう」としている。外務省のお金をこの収容所に回す事こそ私達の税金のいい使われ方ではないだろうか。