現代帝王学日本大学生産工学部 マネジメント工学科
今、自身を見失っている日本人が大勢いる。明日に希望を見出せない人や、自分に自信が持てない人でこの世の中溢れかえっている。中には、自身の行いの善悪さえ気付かない人も居る。
これは日本の存亡に関わる危機である。例えば、現代社会が抱える年金問題、労働者問題、環境問題。これら全ては、現代人の人としての在り方が崩れだした結果であるといえる。
またもっと身近な範囲に目を向ければ、対人関係や生活習慣などその余波は限りなく私たちの目の前にまで迫ってきている。
私は、この危機に言葉を発することなく受け止めることのないように、又多くの人に警鐘を促し改善を試みて欲しいと、この講義の構成を考えた。「人としての在り方」「人間力」などというと、難しく計り知れないものがあり、時には胡散臭いと敬遠される場合が多くある。 しかし、人としてどうあるべきか考えることは、非常に尊ぶべき行為であり、今の社会を救う絶対条件なのである。誰も、この天命に対して目を背けることなど出来ないのである。また日本人は、自分の内に秘めた思いをストレートに表に出さない慎ましく品性のある国民性がある。 よって、口を大にして訴えるのではなく、あなた方にソフトに分かりやすく理解してもらう方が伝わると思い、今回このような内容にしたのである。 人としての在り方を求める為に、私は帝王学による教えを皆さんに伝えたい。帝王学と聴くと、さまざまな誤解を生じる人が多く居ると思われるので始めに断っておくが、人として当たり前のことが書いてあるのである。 例えば、相手に迷惑をかけてはいけないとか、陰口を叩いてはいけないなど。そんな当たり前のことがなぜ、わざわざ何百年も前から言われ続けているのかといえば、何百年経った今でも守れていないからである。それほど、人は当たり前の間違いを繰り返してしまう生き物である。帝王学には人の浅ましさを正す術が的確に述べられている。それは、何百年も積み重ねられた人の在り方を追及する、先人達の苦労が凝縮されているからである。 この講義で述べる事は帝王学の中でも、貴方達若い人にもっとも役に立つ部分を取り上げまとめたものである。例えば若者は社会に出て皆金持ちになりたい。会社のトップになりたいと思う、相撲界も同じく若者は夢を持って入門してくる、末は大関、横綱と誰も思うもの、関取でいいやと思う若者はいない、その為には長い月日をかけて、心、技、体を鍛え、大関、横綱になる。会社のトップに立つ人間もそうである、そこに行くまでに長い年月をかけて「人間力」を身につけていかなければならない。 人として在るべき姿は今も昔も変わらないが、先ほど言った観点から現代人が特に関係する「仕事と個人の在り方」を中心にまとめている。仕事とは、自分が生きている意味を見出すためにあるのであり、この世の全ては自らを成長させる機会で溢れているのである。それに気付くことさえ出来れば、あなたの人生は必ずもっと前向きで豊かなものになる。そして、より良い社会を築いていくことが出来るのである。
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