高知県介護便利帳 2007年


 年を追うごとに社会の高齢化は進みます。寝たきり老人や認知症の高齢化が急激に増えつつあります。それにともない、介護に必要な期間が長期化し、介護をする家族の高齢化も進み、その対応が日に日に困難になってきています。そのため、今、国民生活の最大の不安要因は、老後の生活をどう生きるかということになります。
 こうした中、介護保険制度の大改正が行われて1年が経ちました。「介護」から「介護予防」に視点が大きく変換されたのです。この改正を受けて、各市町村は、予防プランやリハビリを充実することによって要介護の軽減を計り、その進行を押さえ、悪化防止を目的にした「新予防給付」と、予防メニューを実施する「地域支援事業」の2本立て構想に取り組んでいます。
 こうした取り組みは、介護が必要になったお年寄りでも、住み慣れた地域や家庭の中で、居ながらにして自分らしい生活が維持できるような「地域密着型サービス」が充実されるシステムを生みました。
 介護生活は、介護が必要になった誰でも、何の心配もなく、自分らしく生活できるよう、また、介護をしている家族の負担が軽減されるように、みんなで保険料を出し合って社会全体で介護を支え合うしくみになっています。
 介護の不安から解消され、安定した安らぎのある生活を送りましょう。一人ひとりが生きがいを持った生活ができるようにしましょう。そのために、身近な一冊として当誌「高知県 介護べんり帳」を活用して下さい。介護サービスの利用者に、介護保険に対する知識と理解をぜひとももっていただきたいと思います。そして、今後も介護保険制度を上手に利用し、活力のある生活を過ごされることを願っております。

NPO法人 四国介護協会
会長 渡邉 幸雄