啓発(大人はずるい)3
前回の続きです。
私は直ぐに言いました。
何か勘違いしていますよと、あなた達は何年も掛かったモノを私が1日半で終わらせた、その事に対して「何かしら挨拶が」有りましたか。
それは「心より有難うございます」と、言う事ではないですか、とね。
改めて出直して来た方が良いですよ、ご紹介者にこの話をさせて戴きますからと言って、帰って貰った。
次の日に申し訳なさそうに尋ねてこられた。
話は何ですかと、いいましたら「本当に申し訳ないです、心より謝りますと」言って座られた。
私は黙って話しを聞いていたんですが、一向に感謝の言葉が出て来ない、痺れを切らせて言いました。
こちらも大変忙しいから、簡単に掻い摘んで話をしてくれますかと、言うと。
あ〜でもないこ〜でもないと話をされていたから、一言言いました。
何の話ですかと、すると「最初の約束通り全額お支払いしますと」言ったので、私は席を立ち次の依頼者の所に行った。
後で事務所に帰って聞いたら、暫くいてお帰りになったと、言っていました。
次の日、紹介者と依頼者が一緒に事務所に来られたので、お会いさせて頂いた。
会うなり、紹介者は「今回は大変な苦労をかけて、又敏速に解決してくれて、『有難う』」と握手された。
私は、紹介者に対し「遅くなって申し訳ありません」と挨拶した。
依頼者は、横で私達の会話を聞いていて、唖然としていました。
如何して「唖然としていたか」分かりますか。
それは依頼の仕事が「1日半」で終わった事が、遅くなりましたと、私が言った事です。
本来は、1日若しくは半日で終わらせる仕事が、1日半でしたから、お詫びしたんです。
そんな会話を依頼者は黙って聞いていましたから、紹介者は依頼者に対して「挨拶したのか」と言っていました。
依頼者は「え、・・・」紹介者は「ちゃんと、心から『有難う』」と挨拶したのかと、言ったのです。
やっと分かったみたいで『有難うございます』と、立ち上がって頭を下げました。
紹介者は、君達が何年も掛かって出来なかったこの案件を、彼は1日でやると、言ってくれたんだ。
その約束が1日半になり、彼はその事に対して「謝った」遅くなりましたと。
他に何か依頼者はやったんかな、と紹介者は言いましたが、私は何も他にはないですと。
紹介者は、直ぐにお帰りになられたので、残った依頼者と最後の詰めをして、頂くものは戴き印鑑証明と、実印を押した書類を渡して、お帰りになられた。
ここで1番大切な事は、人にモノを頼んで『有難う』と、言わないのは失礼な話です。
何事に対しても「感謝」の気持ちを持っていれば、自然に言葉として発するのです。
この話を家の住職にしましたら、住職は「その依頼者は、自分達の欲望が先に立ち、物事の成功が後回し」になったから、挨拶も感謝の気持ちも出て来なかったんだと、言います。
前にも教えたと思うが「人生何事も、強気で勝負だ、決して相手に弱気な面を見せるな」と住職は言いました。
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